御蔵島黄楊
ストーリー

海外メーカーにはない、日本ならではの木材『御蔵島黄楊』。
製作担当の徳永氏に、御蔵島黄楊の魅力を解説して頂きました!

徳永 隆二氏

御蔵島とは Mikura Island

東京から約200㎞南、そこに御蔵島があります。
三宅島からは約18㎞南になります。伊豆諸島です。地図を見ると、下の図のような位置関係です。御蔵島村の公式ページでは島の衛星写真も見ることができますが、これを見るとほとんどが森ということがわかります。

この森の中に黄楊が沢山あると思うと、なんだかワクワクします。
イルカウォッチングが有名なようですが、リコーダー製作家にとっては、どうみても黄楊の島にしか見えません。

御蔵島黄楊について Mikura Island Boxwood

非常にきれいな木目で、色はやや黄色みを帯びています。
ヨーロッパ黄楊より比重は小さめですが、加工性、仕上がりの美しさ、黄楊の持つ緻密さなどから、リコーダーの材料に適しています。

国内での黄楊の産地は御蔵島と薩摩ですが、御蔵島黄楊は、将棋の駒、印材、櫛などに加工されて幅広く使用されています。
もちろんリコーダーにも。

黄楊と呼べるリコーダーの材料は、代表的な産地として、フランス、イングランド、トルコなどのヨーロッパ黄楊と、日本の御蔵島黄楊などがあります。黄楊の英語名はboxwood(ボックスウッド)ですが、カステロウッドも以前ボックスウッドと呼ばれていたため、その名残で現在もカステロウッドをボックスウッドとして販売しているメーカーもあります。黄楊は、カステロウッドに比べて、かなり緻密です。
宮地楽器オリジナルリコーダーにおいては2017年発売のモデルでこの御蔵島黄楊に着目し、2018年以降のモデルでも毎回この材を採用しています。

なんといっても日本の木であり、リコーダーの材料として非常に適している点、見た目がきれいなこと、正真正銘黄楊(boxwood)、というところが気に入っています。 実際に材料を見てみると、とても綺麗な色と木目です。その特徴を活かすため、着色は行わず、オイルフィニッシュとし、木肌を見せる仕様としました。 ぜひ実物を手に取り、その美しさを感じて頂けましたら幸いです。

2018年リコーダーフェアオリジナルモデル展示の様子
宮地楽器オリジナルリコーダー ラインナップ